第四回(汚された貞操 〜人妻レイプ〜 から抜粋)
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「いい格好だな、奥さん」
下半身丸出しの男が、縛り上げられたあずさを見下ろす。覆面の下の口元が、にやにやと下卑た笑みを浮かべていた。
恐るべき手際に、あずさはロクに抵抗もできなかった。助けを呼ぼうと考えている間に、あっというまに押さえつけられ、手錠で両手を縛られた。
さらにナイフを目の前でちらつかされると、あずさの気力はあっさりと萎えた。
悲鳴を上げれば、その瞬間に凶悪な刃を振り下ろされるのではないか──そう考えただけで、体がすくんで動かなくなる。
レイプ魔に、自分の足元にひざまずくように命令されると、あずさは素直に従った。恐ろしくて、逆らう気にもならなかった。
(やだ、丸見えじゃない……
丸出しになった男性器がちょうど目の前にぶらさがっている。
ごくり、と息を飲んだ。
「じゃあ、早速しゃぶってもらおうか。人妻なんだから、フェラくらい毎日旦那にしてやってるんだろ?」
(毎日だなんて……)
夫とはもう何週間もご無沙汰なのだ。最後にフェラチオをしてあげたのは、一体いつのことになるだろうか。
「あ、あの、せめて部屋の中に……ここじゃ人目がありますから」
あずさが恐る恐る告げる。いちおう敷居があるとはいえ、ベランダは外部に露出している。ここを覗き込む者がいないとも限らない。
「人目があったほうが燃えるだろ。ま、ここは六階だし、そうそう誰かに見られることはないってのが残念だけどな」
──もしも、こんなところを近所の住人に見られたらおしまいだわ。
あずさは戦慄した。この場面を知り合いの誰かにでも目撃されれば、すぐに夫の耳に入るだろう。
だが、彼女に選択の余地はなかった。
意を決して男と向き合う。目の前にはでっぷりと太った腹と、そそり立つペニスがあった。グロテスクな男根は隆々としていて、夫よりも随分と立派だった。
(男の人のアレって、人によってこんなに形が違うのね……)
そんなことを思いながら、あずさは必死で男の肉茎に奉仕する。
「うう、さすがに上手いじゃないか。あの男に仕込まれたのかい」
(あの男……? 夫のことを知っているのかしら)
あずさは訝しげに男を見上げた。黒覆面に覆われ、その素顔をうかがい知ることはできない。
「どうした、続けろ」
「は、はい……」
あずさはそれ以上の詮索をやめ、フェラチオを再開した。四年間の結婚生活で夫に仕込まれた技を駆使し、舌を這わせ、頬でペニスを締め付ける。
「うう、イキそうになってきた。顔やスタイルだけじゃなくテクも絶品だぜ、あんた」
男は気持ちよさそうにうめいた。
「よーし、イクぞ! ちゃんと飲み込めよ、おらっ!」
口の中でたくましい肉茎が膨れ上がり、次の瞬間ドクドクと脈打った。苦い味がじわり、と広がっていく。口の中に射精されたのだ、と気づき、反射的に精液を吐き出しそうになる。
男があずさの頭を上から押さえつけた。
「飲み込め、って言ってるんだよ」
「んっ……んぐぐ……」
あずさは全身を震わせながら、苦味のある粘液を嚥下した。夫以外の男のザーメンを飲まされるなど、妻として最大の屈辱だ。
「ふう、すっきりさせてもらったぜ。清楚な顔して、あんなにフェラがうまいとはな」
男は半萎えの肉棒をあずさの口から抜き取った。
「あ……」
鈴口に残っていた精液が彼女の頬になすりつけられる。さらに左手の結婚指輪にもペニスを押し付けられ、精液をすりつけられた。
「い、嫌っ!」
あずさは思わず悲鳴を上げた。夫婦の絆である婚約指輪が、汚らしい体液によって汚されてしまったのだ。
「ひどい……」
その場にうずくまって呻くあずさを、男は一顧だにしない。
「じゃ、続きといくか」
男は強引にあずさを立ち上がらせた。
ごつごつとした手がエプロンに包まれた体に伸びる。
「きゃっ……」
エプロンとブラウスを同時にたくし上げられる。ピンクのブラジャーに覆われた双丘があらわになった。
ボリュームのある乳房を鷲掴みにされ、ブラジャーもめくり上げられた。覆うものがなくなり、若妻のバストが完全に露出する。
「顔も綺麗だが、体も大したもんだ。オッパイなんて絶品だぜ」
男の唇が乳首を吸いつけた。
「あ」
紅い唇から思わず声が漏れた。背筋に痺れるような感覚が走り、体をのけぞらせる。
何週間もの間、夜の生活から遠ざかり、知らない間に飢えていたのだろうか。秘芯の奥に熱い感覚が宿っていた。体を愛撫されること自体久しぶりなのだ。股間が濡れていることに気づき、あずさは衝撃を受けた。
自分は見知らぬ男にレイプされそうになりながら、興奮している──
「そろそろ準備オッケーだろ。処女の女子高生と違って、経験豊富な奥様は濡れ濡れなんだな。本当は期待してたんだろ?」
男は、あずさが濡れていることに気づいたようだ。
壁際に押し付け、乱暴に乳房と股間をまさぐる。
あずさは必死で首を左右に振った。
「ち、違う……」
「旦那は構ってくれないのか。こんなにビショビショに濡らしてよぉ」
「違います、濡れてなんか!」
「へっ、そんなこと言って、パンツに染みができてるぜ。ほら」
スカートの中に手が入ってきてあずさは身震いした。スカートをたくし上げられ、下着があらわになる。その中心部には恥ずかしい染みが浮き出ていた。
淫らな証をしげしげと覗きこまれ、あずさは羞恥に頬を赤く染める。
もはや言い逃れはできない。
夫のある身で、他の男に触られながら快感を覚えてしまっている。
(ああ、ごめんなさい、あなた──)
あずさは思わず天を仰いだ。
(裏切るつもりなんてないのに……なのに体が──)
女体の悲しさか、女盛りの肉体は卑劣なレイプ魔に触れられながらも、哀れなほど感じてしまう。
男はさらに太ももの内側に手を入れた。覆面の奥の瞳が、無言で彼女をにらみつける。脚を開け、と命じられているのだ。
一瞬ためらった後、あずさは腰を落としおずおずと脚を広げた。
「へっ、もっと抵抗すると思ったけどな。自分から股を開きやがったぜ」
男は馬鹿にするように鼻を鳴らした。下着をむしり取り、男の指が秘裂に押し入ってくる。
あずさはもはや抵抗しなかった。
心のどこかで体中を弄られることに、快感を覚えていたのかもしれない。男は愛撫を中断すると、むっちりとした太ももを抱え上げた。
右足を抱え上げた、いわゆる立位の態勢だ。無防備になった股間の中心部に、硬い亀頭部があてがわれる。
「あはぁっ!」
充血した花弁を左右に押し広げ、先端が差し込まれた。
「ああっ、駄目……!」
充分に潤っていたそこは、まるで吸いこむように太い肉茎を呑み込んでいく。あずさは悲痛な気持ちで、夫以外の男を受け入れる罪悪感に耐えた。
夫以外の男性があずさの体に侵入するのは、随分と久しぶりだった。
あずさの男性経験は大学時代の恋人と現在の夫の二人だけ。もちろん、結婚してからは夫以外の男性に体を許したことはない。卑劣なレイプ魔は、彼女にとって生涯三人目の男性となってしまった。
「嫌、嫌ですっ……ああああっ……」
人妻の柔らかな粘膜を異物が突き進んでいく。夫以外には許してはいけない神聖な領域を、無粋な侵入者がやすやすと突破していく。
「そら、入っていくぜ。ダンナ以外のチ×ポだ。そらっ、そらっ、どうだ!」
男はあずさにたっぷりと屈辱感を与えながら、肉棒をねじ込んでいく。隆々としたものが人妻の熟れた膣孔に根元まで押し込まれた。
「ダンナと比べてどうだ? 俺のほうが大きいし、太いし、硬いし、気持ちいいだろ? どうなんだ、気持ちいいだろ?」
すごい──あの人とは全然感触が違う……!
あずさは白い喉を見せて、喘いだ。
胎内いっぱいを埋め尽くされ、あらためて夫とのペニスの差異を思い知らされる。
レイプ魔の肉棒は固さも、大きさも、たくましさも──全ての面で、夫とは比べ物にならないほど立派なものだった。
「具合がいいオマ×コしてるじゃねーか。中がヒクヒク動いて、どんどん締めつけてくる……青臭い女子高生とは全然違うぜ」
男は勝ち誇ったように笑うと、最初からトップスピードで腰を動かしだした。
ぐちゅ、ぐちゅ、と二人の結合部から淫らな音が漏れ聞こえる。
あずさは立っていられなくなり、思わず目の前の男にしがみついた。まるで恋人同士のように、抱き合いながらの立位セックスだ。
「へへへ、あんなヤツに味わわせるのはもったいないぜ」
「ああ、お願い、もっと優しく……」
女体を軋ませるほどパワフルな腰使いに、あずさは悲鳴をあげた。腰を浮かせて、少しでも衝撃を和らげようとする。
ここ一週間というもの、ずっと待ち望んでいた性行為──だが相手が見知らぬ陵辱魔では気持ちが悪くて、嫌悪感しか沸いてこない。
「お願い、早く終わってください……」
屈辱と罪悪感をかみ締め、あずさがうめく。
「へっ、たっぷりと楽しませてくれい。なにせ俺にとっちゃ、三日ぶりのオマ×コなんだからよ」
「いやっ、早く終わって、早く抜いてぇ」
あずさの哀願にも耳を貸そうとしない。頬をにやつかせて腰を揺らし続けた。淡白な夫と違い、ねちっこく責めてくる。
十代の少女のように引き締まった腰をつかみ、激しいピストンをたたきつける。その動きに合わせて人妻の体が揺さぶられ、豊満なバストが波打った。
男は夢中になってあずさの唇を奪う。互いに舌を吸い合い、唾液をすすりあった。
「お願い……もう許してぇ」
「駄目だな、まだ俺はイッてないぜ」
男はいったん肉棒を引き抜くと、あずさを突き飛ばした。
よろめきながら、ベランダの手すりをつかむ。
男はそのまま彼女の臀部を抱え込んだ。立ちバックの体勢に移行すると、ふたたび人妻の秘孔が熱いものに貫かれた。
「今度は後ろからいくぜ。しっかり手すりをつかんでろよ」
後ろ髪をつかみながら、熟れた腰を激しく揺さぶる。
「んっ、んんんっ!」
あずさはベランダの手すりにつかまり、必死に耐えた。レイプ魔に突き込まれるたびに、ぎし、ぎし、と手すりが激しく揺れる。
(まるで男の玩具だわ……ひどい)
これほど屈辱的なセックスは今までの人生で味わったことがない。
だが一方で──
「あっ……あああっ!」
背筋からぞくぞくっとした痺れが這い上がってくるのも事実だった。胎内に、電流にも似た疼きが満ちてくる。繋がっている部分から、ぴちゃ、ぴちゃ、といやらしい音が断続的に響く。
(ど、どうして……私、見知らぬ男に汚されてるのに──)
あずさはいつしか背中越しに感じる力強い躍動に酔っていた。
自分は、こんなにもセックスに飢えていたのだろうか……?
あずさの戸惑いをよそに、男の動きはどんどんスピードを上げていく。セックス経験の豊富な人妻は、男の射精が近いことを感じ取った。
「そろそろイキそうになってきたぜ。どこに出してほしい?」
「く、口に……口にしてくださいっ」
あずさが慌てて叫んだ。夫のいる身で妊娠の危険を冒すわけにはいかない。中出しだけは絶対に許容できなかった。
「中だけは絶対にダメです! 出すなら口にお願いっ!」
「旦那以外の男の赤ん坊を孕んじまったら困る、ってか」
「お願いだから外に出して……子供は、いやッ……!」
あずさは嫌々と首を左右に振って懇願するが、男はおかまいなしだった。逃げられないようにがっちりと両脚を抱え、無慈悲に抽送を続ける。
「駄目なの……中は、中だけは……」
覆面の下で男が笑みを浮かべるのが見えた。
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