第3回
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「いつ来ても広いよな、ここ。俺たちにぴったりじゃねーか」
部屋の中は広く、十畳以上のスペースがあった。室内にはぷん、と生臭いにおいが漂っている。
匂いの正体は部屋の中にたっぷりと染み付いた、男女の濃厚な体液だった。
獣のごとき匂いをかいでいると、沢村はみずからも欲望がたかぶり、下腹が天を衝くような感覚になってくる。
最近は週に一度、この部屋に集まるのが習慣になっていた。ここでおこなわれる乱交パーティーに参加するためだ。
今回の参加者は男が四人、女が三人だ。
遊びなれた風な社会人と大学生が半分半分くらいなのだが、ひとりだけ清楚な雰囲気の女子校生がまじっている。
男たちに囲まれている可憐な少女がそうだ。
青いブレザーにオレンジのリボン、黒いショートスカートという組み合わせの制服を身につけている。
「こいつさ、俺が処女奪っちゃったんだよね」
彼女──坂上梨香の肩を抱き寄せ、沢村が自慢げに語った。
「えー、ひどーい」
頭の悪そうなコギャル風の女が、すっとんきょうな声をあげた。
梨香との出会い、そして処女喪失の場面を思い出す。
──もともと敏樹に惚れていた梨香を騙したのは、沢村だった。
敏樹は真由子に惚れている。お前には脈がない、と散々吹き込んでやったのだ。
なかば自暴自棄になった彼女を、飲み会に誘った。
気分転換に、とうまく言い含めて。
そこで初めてのアルコールに酔っ払った梨香は、酩酊状態で沢村の下宿にまでついてきた。
後はお決まりのコースだ。
処女を守り続けてきた清純な乙女は、沢村によってあっけなく純潔を失ったのだった。
「だ、だめです、沢村先輩!」
今でも彼女の悲鳴を思い出すと、それだけで勃起してくるほどだった。
あのときの様子は部屋の中に設置していた三台の隠しカメラによって、ばっちりと録画してある。
梨香の処女喪失記念動画だ。
そう、あのときの様子は、動画を見なくても鮮明に思い出すことができる──
……すでに梨香は酩酊状態だった。
慣れない酒をしこたまに飲まされ、酔っ払っている。
意識もハッキリしていないに違いない。先ほどからうわごとにも似たつぶやきを繰り返している。
「遠藤くん……遠藤くん……」
と。
よほど失恋がショックだったのだろう。
「まったく、あんな男のどこがいいんだか。俺がアプローチしても全然なびかなかったくせによ」
思わず恨み言をもらしてしまう。
「おーい、どうするんだ、沢村。そろそろヤッちまうのか」
仲間のひとりが声をかける。
「へへへへへ、お楽しみターイム♪」
沢村の口の端が、邪悪に吊りあがった。
待ちに待った瞬間だった。
ほとんど意識もない状態の梨香に三人がかりでのしかかり、服を剥いでいく。
眼下にうごめく女体は、スレンダーで起伏に乏しい。古めかしい表現だが、もぎたての果実のようだった。
健康的な肌は、日焼けとは無縁なように真っ白だ。なだらかな起伏の頂点で、ピンク色の尖りが可愛らしく揺れている。
「たまんねーな、こりゃ。へへ」
沢村が梨香の双丘をギュッと揉みしだいた。
ぐいっ、ぐいっ……
何度も乳房を揉んでいると、痛かったのか、梨香の体が細かく震えた。。
「うう……」
桃色の唇をわずかに開閉し、うめきをこぼす。ゆっくりとまぶたが開き、つぶらな瞳で沢村を見据えた。
「な、なに……!? なにしてるんですか、沢村先輩……!?」
梨香がおびえた顔であたりを見回す。
上体を起こし、そこで自分が丸裸になっていることに気づいたようだ。
「きゃあっ」
可憐な悲鳴を上げて、両腕で胸元を覆い隠した。
その腕を男たちが無理やり左右に開かせる。
ふたたび裸の胸が露出し、梨香は先ほど以上の悲鳴を上げた。
沢村はにやにやと笑いながら、梨香を抱きすくめる。ちゅっ、と唇にキスしてやると、初心な少女はたちまち真っ赤になった。
「は、初めてだったのに……」
梨香は頬を紅潮させたまま、愕然と沢村を見つめている。
「へへへ、そいつはごちそうさん。じゃあ今度は下のお口の初めてをもらうとするかな」
下腹を押し進め、梨香の腰と自分の腰を密着させる。
「なにをする気ですか……!?」
「決まってんだろ、セックスだよ、セックス。当然、処女だよな」
「…………」
「どうなんだよ、処女なのか」
恥ずかしがってうつむく梨香に、沢村が追い討ちをかける。
「……はい」
梨香がか細い声でうなずいた。
沢村は満足感たっぷりに、もう一度梨香の唇にキスをした。
びくっ、と初心な少女が体を震わせる。
「私、やっぱり遠藤くんのことが──初めては遠藤くんに、って……ああっ」
哀れな懇願にもおかまいなしに、沢村は一気に腰を押し進めた。ぬちゃ、と湿った音がして、互いの性器が触れ合っている感触がした。
まだ誰も入ったことのない、未通の聖域。
ごくり、と喉を鳴らし、沢村は体を前傾させた。
狙いを定め、一気に腰を突き出す。
「きゃあっ……!」
梨香が甲高い苦鳴をこぼした。
「き、キツいっ……!」
沢村が顔をしかめる。
さすがにバージンだけあって抵抗は強かった。
かまわずに腰を押し進める。処女を相手にした経験は何度もある。慣れたものだった。
全体重をぶつけるつもりでグイグイと腰を押し込んでいく。狭隘な関門を熱い切っ先でこじ開け、その先へ──
ずぶり、と何かを貫く感覚があった。
「い、痛いっ!」
梨香はおとなしげな顔をくしゃくしゃに歪め、絶叫した。
結合部からぬるぬるとした感触がする。
破瓜の血だ。
そう悟って、沢村は歓喜の雄たけびを上げる。
前々から狙っていた少女をついにものにしたのだ。
おまけに純潔まで奪うことができた。
この可憐な美少女の、初めての男になったのだと思うと誇らしく、同時にどう猛な征服感を覚える。
沢村は体の下で梨香が痛がっているのもかまわず、腰を動かしだした。
処女を相手にするのは初めてではない。学内外で、何人もの女にバージンを捧げてもらい、あるいは騙して奪い取ってきた。
とはいえ、これほどの美少女は今までに経験がなかった。
沢村は至福ともいえる征服感に包まれながら、腰を動かしはじめた。
梨香の締め付けはきつい。
女体に慣れている沢村だったが、さすがにここまでキツい膣洞は久しぶりだ。
あっけなく射精感が訪れてしまう。
「ううっ!」
ためらうそぶりも見せず、沢村は思いっきり梨香の最深部に射精した。どく、どく、と未開の処女地に己のスペルマを注ぎ込んでいく。
「だ、だめ……ぇっ……」
梨香はか細い悲鳴を上げて、スレンダーな裸身をのけぞらせた。
細い四肢がヒクヒクと震える。断末魔のごとく震える膣ヒダが沢村の肉茎を強く搾り取っていく。
「あ、熱い……ああ」
生まれて初めて味わうスペルマの熱感に、梨香は茫然自失の態だった。おそらく今感じている熱さを、この可憐な美少女は一生涯忘れないだろう。
たとえこの先、どんな男と恋人同士になり、どんな男の妻になったとしても──
快感だった。
射精の放出感、爽快感は当然として、誰も汚したことのない膣と子宮に、自分が初めて射精しているのだと思うと、この上もない征服感を覚える。
──俺が、この女の初めてを奪ったんだ。
沢村はなおも残る精液を注ぎ込みながら、破瓜の痛みに震える少女を見下ろしていた。
これで妊娠してしまうかもしれないが、そんなことはどうでもよかった。
むしろ孕ませてしまうかもしれない、という不安と興奮の入り混じった気持ちが、彼の獣欲をさらに膨らませる。
「だ、だめ……だめぇ……」
「いっそのこと妊娠しちまえよ、そらっ! そらっ!」
最後の一滴まで放出しながら、沢村は雄たけびを上げた──
……記憶を反すうし、沢村はあらためて征服感と陶酔感に酔いしれた。
「──あのときは、痛がってばかりだったくせによ。今じゃ自分から腰振りやがる」
「そんなこと……言わないでください」
梨香が羞恥に頬を染める。
「あっ……!」
聞こえてきたのは、艶めいた喘ぎ声だ。
「はあん、だめ」
「いいだろ、そろそろ……な?」
「ち、ちょっと、そんなところ……」
「すげえおっぱいじゃねーか。もっとよく見せろよ」
「だめ、だめぇ……」
淫らな声がいくつも交錯し、室内の空気を淫らに染みあげていく。
誰が言うでもなく、自然と雰囲気が昂ぶり、気がつけば部屋のあちこちで乱交が始まっていた。
沢村はもう一人の男とともに、梨香を左右から挟み込む。
彼ともう一人とで交互にキスを浴びせると、たちまち清純な美少女がぽうっと頬を桃色に上気させた。。
「へへ、その気になってきただろ」
「乱交なんてする子には見えねーのにな」
「そこはそれ、俺の仕込みがよかったんだよ」
沢村が得意げに言い放った。
指先を少女の股間へと這わせていく。ショーツ越しにも、そこがじっとりと濡れているのが分かった。
沢村ともう一人の男からキスをされ、軽く体を触れられるだけで愛液を垂れ流している。これから起こることへの期待感もあるのだろう。
指先を見ると、透明な液で指の腹がぐしょぐしょに湿っていた。
「へへへ、これじゃ前戯もいらないな」
沢村は下品に笑うと、梨香の体にのしかかった。
ブレザーの制服はそのままに、ショーツだけを脱がしてしまう。案の定、あふれだした愛蜜で白い下着はぐしょ濡れだった。
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