第4回
*
着衣姿のままの女子校生の両足をつかみ、大きくMの字に割り開く。その中心部でテラテラと濡れ光る薄赤色の器官を見下ろし、沢村は喉を鳴らした。
すでに勃起状態だった下腹に、さらなる衝動が突き上げる。
飢えた獣欲のとりことなった沢村は、雄たけびを上げながら腰を進めた。張り詰めきった肉頭を、縦長のスリットに押し付ける。
ぐちゅ、と湿った音とともに、赤黒い亀頭に初々しい秘唇が吸い付いた。
「入れるぜ」
短くうめき、沢村が腰を押し出す。
猛々しい剛棒は抵抗をまったく見せず、瑞々しい秘処に潜り込んだ。
「はっ……あう」
がくん、と梨香の体がのけぞった。頬が、首筋が、さらには二の腕や太ももまでもが紅潮している。
挿入の期待感で、清楚な少女が興奮しているのだ。
沢村はさらに体重を込めて、己の分身を埋め込んでいく。簡単に根元まで突き入れることができた。
コンドームは使用していない。
ナマの肉ヒダの感触が、沢村のペニスを心地よく締め付けてくる。
「なんて締め付けだ……食いちぎられそうだぜ」
うめいて、飢えた獣同然に腰を打ち振りだした。
学生ながらもセックスには慣れている沢村だが、さすがにこれだけの美少女と体を重ねる機会はそうそう訪れない。すでに幾度か抱いているにもかかわらず、梨香を抱くときには、いまだに処女を奪ったときの感慨がよみがえってくる。
梨香の反応もまた、セックスの快楽に慣れてきている反面、どこかで生娘らしい楚々とした態度を残していた。
あっ、あっ、と、沢村がピストンするたびに、初々しい喘ぎをこぼす。未踏の処女雪を思わせる真っ白い肌を抱きしめ、沢村はさらにストロークを強めていった。
「うっ、ああ! いいっ、気持ちいい……ですっ!」
力強い抽送で正面から膣洞をえぐられるうち、梨香は早くも快楽の声をあげはじめる。すらりとした四肢がうねり、スレンダーな体躯は小刻みな痙攣を繰り返した。
「じゃあそろそろイけよ。今日一回目のエクスタシーだ」
沢村は腰の動きに変化をつけながら、少女の最深部を連続して突き上げた。
膣ヒダの締め付けがぎゅぅっ、と急激に強まる、独特の感覚があった。
同時に、
「はああぁぁんっ! イク! 梨香、イクう!」
可愛らしい悲鳴をあげて、梨香は最初のオルガスムスに達したようだ。みずから体を伸ばして沢村の唇を求め、細い腰を上下にうねらせる。
ひく、ひく、と内部の肉ヒダが痙攣を繰り返していた。
ペニスを強烈に絞られ、沢村は眉間を寄せてあえぐ。
「ぐうっ、こっちまでイキそうになったぜ」
これほどの美少女を相手にしているのだ、簡単に射精してしまってはあまりにも勿体ない。
「村岡さん、あんたもどうだ? 二人でこの女を責めてみねーか?」
「いいね」
村岡、と呼ばれた大学生くらいの男が近づいてきた。彼はすでに他の女の奉仕を受けていたのだろう。長細いペニスは唾液や愛液にまみれ、濡れ光っている。
沢村は梨香とつながったまま、ゆっくりと腰を上げた。結合が外れないように注意しながら、梨香とタイミングを合わせて立ち上がる。
立位の格好になると、腰をしならせてふたたびピストンを始めた。
「あっ、あっ、ああっ!」
不安定な姿勢で突きこみを受けた梨香は、喉を震わせて叫んだ。
彼女は、先ほどオルガスムスに突き上げられたばかりで、全身に絶頂の残滓が残っているのはずだ。可憐な美少女らしからぬ、飢えたような仕草で、みずから腰を震わせ、男を迎え撃つ。
そこへ、村岡が背後から梨香の体を抱きしめた。沢村が打ち込むたびに、ぷるん、ぷるん、と震えるヒップを撫でて、ほくそ笑む。
そのまま小尻の合わい目に向かって、長細いペニスの尖端をあてがった。
村岡が挿入しやすいよう、沢村がいったんストロークを止める。
「えっ、まさか二人同時に……」
梨香の顔が驚きと期待に揺れた。
二穴刺しにおびえながらも、それ以上に淫らな期待感を抱いている。そんな表情だった。
そして彼女をそういう女に仕込んだのは、沢村だ。
「嬉しいだろ、梨香」
「わ、私は……」
梨香は頬を染めて、うつむいた。
その間も村岡が腰を押し進めている。ずちゅっ、と水音がして、長細い肉棒は根元まで美少女のアヌスに埋まりこんだ。
可憐な乙女が立ったまま、前と後ろの穴に二人の男のペニスを受け入れている。
「アナルにもあっさり入るじゃん。どんだけ調教したんだよ、沢村」
美少女のアナルの締め付けは、村岡を十分に満足させたようだ。熱っぽくうめきながら、さっそく梨香の肛門をえぐりはじめる。
「マジ鬼畜じゃねーの、お前って」
言われた沢村もピストン運動を再開していた。
村岡がアナルをえぐる動きにあわせ、膣が微妙にぜん動する。二穴刺しならではの感触だった。
「いいじゃん、こいつも楽しんでるんだからさ。な、梨香?」
「は、はいぃ……」
梨香はとろん、とした目つきでうなずく。膣と肛門を同時に貫かれながら、惚けたような顔で吐息をこぼす。
「あっ、ああん、うぐっ」
二穴に同時挿入され、えぐられるのはよほど気持ちがいいのか、理知的な顔は淫らな快楽によって歪んでいた。
梨香の締め付けは相変わらず最高だった。
猛々しく勃起した肉根で、女子校生の膣洞をえぐりぬく。じゅぶ、じゅぶ、と濁った音が鳴り、沢村の興奮を高めていく。
「どうだ、気持ちいいか。梨香」
「は、はい。沢村先輩のチ×ポ、最高ですぅ……!」
知的な容貌の梨香が、ためらう様子も見せずに淫語を口にする。すべては沢村による一年間の調教の成果だった。
サッカー部で初めて出会ったときには、とてもこんな言葉を口にするような少女ではなかった。
お嬢様育ちの、清純な乙女──まさにそういう表現がぴったりの、おとなしげな女子校生だったのだ。
一年前からの変貌ぶりを思うと、あらためて胸が梳くような征服感を覚える。
「くくく、お前の初めての男は俺だからな。この先どんな男と付き合っても、誰かと結婚することになっても、俺に処女を捧げたって事実を忘れるなよ」
「は、はいっ!」
喜悦に顔をゆがめ、梨香はみずから腰を揺らした。
二穴を同時に穿たれるのはよほど気持ちがいいのか、おとなしげな容貌を歪めて絶叫する。
「だめ、またイク! 梨香、イッちゃうう! イク! イクう!」
立位のままスレンダーな裸身からガクンと力が抜けた。沢村にしなだれかかるようにして動きを止める。
断末魔を思わせる様子で、ぴくぴくと白い裸体が痙攣していた。締め付けがさらに強まり、沢村のペニスを食い絞る。
「ぐぅっ! こ、こいつは効く……!」
あまりの快楽に、沢村もさすがに音を上げた。射精感が一気に高まり、腰の動きを加速させる。
もはや我慢できない。
ラストスパートだった。もちろん避妊具などつけていない。このまま中出しするつもりだ。
運悪く妊娠した場合は、梨香に堕胎させるつもりだった。
「ううっ、出すぞ! 出すぞ、梨香!」
沢村は高まり続ける射精感に身を任せ、欲望の引き金を引き絞った。
どくっ、どくっ、どくっ!
呆れるほど大量の精液が梨香の膣にほとばしり出る。
「うおおっ……おっ、おおっ!」
あまりの気持ちよさに、情けなく喘いでしまった。
精巣が空になるほどの勢いで、おびただしい量のスペルマを放出する。梨香の胎内が軽薄な男の体液で満たされていく。
ほぼ同時に、アヌスを犯している村岡のほうも達したらしい。
どびゅっ、どびゅっ、どびゅぅっ!
沢村にまで脈動が伝わってくるほどの勢いで、村岡が梨香の直腸に煮えたぎる精を注ぎ込んだ。
(次は、真由子ちゃんをここに連れ込みたいもんだな)
沢村が内心でほくそ笑む。
ためしに軽くキスしてみたが、真由子の態度は明らかに処女のそれだった。おそらくキスも初めてなのだろう。
軽く唇を触れ合わせる程度のお遊びで、顔を真っ赤にしていたのだから。
(乱交パーティーで初体験、か。真由子ちゃんに最高のロストバージンをプレゼントしてやるかな)
*
沢村にファーストキスを奪われた、という事実は、真由子の心の中で重く尾を引いていた。
忘れようとしているのだが、この三日間、どうしても忘れられなかった。
大切に守ってきた唇の純潔。
本当なら、敏樹に与えるはずだった唇の純潔。
それを軽薄な遊び人でしかない男に、不意打ちのような格好で盗まれてしまった。
「まだ怒ってるのかよ、真由子ちゃん」
その張本人が、真由子の目の前にいる。にやにやと薄っぺらい笑みを浮かべている。あらためて、ふつふつと怒りが沸いてきた。
「当たり前でしょう」
眉間に思いっきり皺を寄せて、沢村をにらみつける。
──この間のことを謝りたい、と言ってきたのは沢村のほうだった。
もののはずみでああいうことをしてしまったが、いい加減な気持ちではない。俺は以前から真由子のことを好きだったのだ、と。
とても信じられなかったが、もう一度彼に会わないことには、真由子自身が気持ちの整理をつけられそうにない。そこで、怒りと嫌悪感を押し殺し、彼と会うことにしたのだった。
指定された日時は放課後、駅前のファミリーレストラン。四時過ぎという時間帯のせいか、店内は空いていた。
沢村は堂々と煙草を吸いながら、真由子に熱弁する。
「俺、前々から君のことが気になってたんだぜ。遠藤の奴がうらやましくてたまらなかった」
「本当ですか? 調子のいいことを言わないでください」
真由子はじとっとした目で沢村をにらむ。
こうして見ると、軽薄な外見とは裏腹に、彼の表情は真摯だ。この間のことを真剣に悔い、謝罪しようとしているのがつたわってくる。
もっともそれも上っ面だけなのかもしれない。
なにせ沢村に関しては、悪い噂が多すぎた。
学内外問わず、何人もの女に手を出し、泣かせてきた……と。
今見せている表情だって、演技かもしれないのだ。
「疑わしい、って顔してるな、真由子ちゃん」
沢村がほんの少し眉間を寄せて、つぶやいた。
「やっぱ信じられない? 俺のこと」
「あんなことした人を、信用できるわけないでしょう!」
真由子が怒鳴った。
店の客の何人かがびくっと体を震わせ、こちらに視線を向ける。真由子はあわてて口をつぐんだ。
「気が強いね……まあ、そういうところが好きなんだけどさ」
沢村が噴き出す。
笑うと、意外に可愛かった。
真由子は思わずつられて笑ってしまう。
それからすぐに表情を引き締めた。
「あたし……初めてだったんですよ。絶対に許せません」
「まじ? やっぱりファーストキスだったんだ」
沢村が目を見開いた。
驚いた表情は、すぐにすまなさそうな顔に変わる。
「そっか……気持ちが先走りすぎたとはいえ、悪いことしたよな」
「悪いことした、で済む問題じゃないでしょう……!」
「すまない。俺には謝ることしかできないけど──本当にすまなかった」
沢村はテーブルに両手をつき、さらに額を擦り付けた。ほとんど土下座同然の格好だ。
「沢村先輩……」
初めてのキスを汚された悔しさが消えるわけではない。
決して消えるわけではないが、いつまでもネチネチと恨みごとを言うのも性に合わない。
「もう、いいです。頭を上げてください」
真由子は大きなため息をついた。
「あたし、忘れますから。なんとか忘れてみます」
唇を押さえ、そうつぶやく。
綺麗な桃色の唇には、まだ男の唇の感触が残っていた。ほんの一瞬だが、確かに沢村とキスを交わしたのだという証だった。
その相手が、敏樹だったらどんなに幸せだったか──
今さらどうにもならないことだが、そう思わずにはいられない。
沢村がゆっくりと顔を上げた。もう一度、すまない、と謝ってから、
「じゃあ、せめてもの罪滅ぼしに、俺に何かできることがあったらさせてくれ。何でもいい。君を傷つけたお詫びがしたいんだ」
体を前に乗り出す。
「そんなこと言われても……」
真由子は困惑した。
「あたしは別に──」
言いかけて、ふと思いついたことがあった。
「なんだ?」
「その……敏樹の、ことなんですけど」
正確には、敏樹と梨香の関係についてのことだ。
沢村は敏樹の先輩であり、梨香ともそれなりに親しいだろう。この間のことを相談できそうなのは、彼しかいなかった。
他の人間に相談すると、真由子の想いが敏樹にバレてしまいそうで怖かった。その点、すでに卒業している沢村ならその心配だけはない。
(そうじゃなければ、誰がこんな人に──)
沢村に大切なファーストキスを盗まれたことを思い返し、あらためて腹立たしさが込み上げた。
本当は敏樹に捧げるはずだった、唇の純潔。
それを遊び半分で奪い去られたのだ。決して忘れることはできなかった。
一生、許さないと思った。
ただ、人間性においては信用できないが、沢村は恋愛ごとに関しては豊富な経験を積んでいる。
アドバイスをもらう相手としては悪くなかった。
「実はこの間、敏樹と梨香ちゃんが抱き合っているところを見たんです」
真由子が思い切って告白する。
「へえ、気になるんだ。あいつのこと」
沢村が片眉をあげた。
「いえ、そんなこと……」
「いいじゃん。俺、こう見えても口は堅いぜ。……といっても信用できないかもしれないけど」
沢村が続ける。
「けど、一度本気で惚れた相手が困ってるなら、力になりたいって気持ちは嘘じゃない。遠藤は一本気でいい奴だよ。悔しいけど……真由子ちゃんとお似合いかもしれない。俺なんかよりもね」
「沢村先輩……」
真由子はほんの少しだけ感激を覚えていた。
……気がつけば二時間近くたっていた。真由子は思いつくままに敏樹のことを話し続けた。
沢村は驚くほど真摯な態度で、彼女の話を聞いてくれた。真由子が知らない、サッカー部での敏樹の話を、時には冗談も交えつつ、楽しく語ってくれた。
「もうこんな時間……」
腕時計に目をやり、真由子はため息をついた。
時間が経つのはあっという間だ。それでもまだ話し足りないくらいだった。
真由子は一度トイレに立ち、戻ってくる。
沢村がドリンクバーに新しいジュースを補充してくれていた。こういう細かい気配りはさすがに百戦錬磨だ。
女の子の扱いに慣れている、というべきか。
真由子はありがたくそのジュースを受け取り、ふたたび敏樹のことを相談する。
やがて店を出ると、すでに外は暗くなっていた。
「今日はありがとうございました」
挨拶をしたところで、急に気分が悪くなった。
目の前がぐらぐらと揺れている。
(あ……れ……?)
おかしい。
何かおかしい。
視界が、さらに揺れる。
気分が暗転していく。
力なく、真由子は前方に倒れ掛かった。
とっさに沢村が彼女の体を受け止める。
「おっと、大丈夫か、真由子ちゃん」
「だ、だい……じょう……」
大丈夫です、と言ったつもりだったが、すでに呂律が回っていなかった。沢村に抱きついたまま、真由子は意識がスーッと暗くなっていくのを感じた。
……『乱交パーティーで初体験していた憧れの幼馴染』の連載はここで終了です。
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