〜体験版〜 「僕は聖奴隷に恋をする(上)」
〜体験版〜 「僕は聖奴隷に恋をする(中)」
〜体験版〜 「僕は聖奴隷に恋をする(下)」




〜体験版〜 「僕は聖奴隷に恋をする(上)」




 授業が終わり、放課後に突入した教室は、独特の喧騒に包まれていた。
「うーん、ブラの線が透けてるな」
 矢神勝利(やがみ・しょうり)が同級生の背中を見つめながらつぶやく。白い夏服に白い紐が透けているのは、真後ろの席にだけ許された特権だ。
「ちょっと、矢神君っ」
 すさまじい速さで、その同級生が振り返った。
 朝比奈泉(あさひな・いずみ)。十六歳。更級高校一年生。
 漆黒の髪を赤いリボンでまとめてポニーテールにしている。いかにも気が強そうな容姿だが、文句なしに綺麗な少女だった。
 こうして向かい合っているだけで、勝利の心拍数はどんどんと上昇していく。
「セクハラだよ、それ」
 青い制服に包まれた肢体が躍動する。
 公立更級(さらしな)高校の制服は青いブレザーにオレンジのリボン、黒いショートスカートという組み合わせだ。一部の制服マニアに絶大な人気を誇る可愛らしいデザインで、実際、この制服に憧れて更級高校を受験する少女も少なくない。
「セクハラだとぉ。女体の神秘を探求しようという男心がわからんのか」
 勝利が力説した。
 泉が眉を寄せた。切れ長の瞳から放たれる視線が、氷点下の冷たさに変わる。
「訂正。セクハラの上にバカなのね。あなたと話すのって疲れる」
「バカって言ったな、バカって」
「バカをバカって言って、何が悪いの」
「また、バカって──」
「相変わらず仲いいねー」
 二人の会話に割り込んできたのは、三津屋琴乃(みつや・ことの)だ。
 ふわふわとした穏やかな笑顔。柔らかな栗色の光沢を持つ髪をショートカットにしていて、それが彼女の和やかな雰囲気によく溶け合っていた。泉とはタイプが違うが、勝るとも劣らぬ美しい少女だ。
「よくねーよ」
「よくない」
 琴乃の言葉に、二人は同時に叫んだ。
 言いながらも、勝利は頬が熱くなるのを自覚する。
 そっと泉に目線を走らせた。勝気な瞳をキラキラと輝かせ、頬を林檎色に紅潮させている。
 怒れば怒るほどに美しい。
 勝利は思わず息を飲んだ。
 いつからだろうか。泉の美貌に──表面的な美しさではなく、内面的な女らしさに惹かれるようになったのは。
「あれ、ショーリくん。顔、赤いよ」
 琴乃がへらへらと笑った。
 勝利はどきり、と心臓を高鳴らせる。
 気の抜けたような笑顔だが、意外に鋭いところを突いてくる少女だ。
「お、俺は別に……」
 しどろもどろに弁解した。
 琴乃はそんな彼の反応を面白がるように、にっこりと見つめている。
「か、か、勘違いするなよ! 俺は朝比奈のことなんて──」
 琴乃の視線が今度は泉に移った。
「泉ちゃんも満更じゃなさそうだしぃ」
「馬鹿なこと言わないでよっ」
 泉が不快そうに眉をしかめた。
 勝利と同じように照れるのかと思いきや、本気で怒っているようだ。
(あーあ、こりゃ、脈は薄いかな)
 彼女の気持ちは、自分には向いていないのだろうか。
 そう思うと、がっかりしてしまう。
 琴乃が半ば呆れ顔で泉を見やった。
「本当に気が強いんだから」
「あたし、帰るっ」
 泉が机をばん、と叩いて立ち上がる。
「なんだよ、もう」
「あまり遅いと叱られるの。門限があるから。じゃあねっ」
 一方的に言い放ち、二人から背を向ける。
 確か、彼女の家は厳格で、私生活や門限などにも逐一干渉してくると聞いたことがあった。
 ポニーテールにした漆黒の髪を振りたくり、泉は肩をいからせて去っていく。遠ざかる赤いリボンを勝利は惚けた顔で見送った。
 ただ、彼女の後ろ姿に見とれていた。開けっ放しの窓から一陣の風が吹き、ポニーテールを小気味よく揺らす。
(あの日もちょうど、こんな風が吹いてたよな)
 泉と再会したときのことを回想した。
 ちょうど半年前になる。



 ──桜の舞う春風の中で、勝利はその少女と再会した。
「あ……もしかして、矢神くん?」
「朝比奈──」
 勝利は呆然と、その少女……朝比奈泉を見つめる。
 彼女は勝利と同い年だから高校二年生になるはずだ。幼稚園から小学校まで腐れ縁の幼なじみなのだが、両親の都合で彼女がこの町を出て以来、六年ぶりの再会だった。
 彼の記憶にあるのは、まだ小学生だったころの泉だった。
 そのころから群を抜いて可愛かったが、六年の月日が流れた今は、凛とした美少女へと成長している。
(本当に綺麗になりやがった、こいつ)
 嘆息まじりにうめく。
 赤いリボンでポニーテールにまとめた黒髪が、風の中で小さく揺れた。
「今度、この町に引っ越してきたの。よろしくね、矢神くん」
 泉が歯切れの良い口調で言った。
「……久しぶり」
 ぶっきらぼうな態度を装いながら、勝利は泉の肢体に見とれていた。
 細身の体にすらりと伸びた四肢。白く透ける肌が上衣やスカートの下からのぞき、少女らしい清楚な色香を漂わせていた。
 ──ごくり。
(朝比奈ってこんなに可愛かったっけ……?)
 勝利は思わず息を飲み込んだ。
 容姿だけではない。
 全身から漂わせる雰囲気──少女と大人の女の狭間にある、清楚さと危うい色香を絶妙のバランスで兼ね備えている。
 見ているだけで、彼女の魅力に吸い寄せられてしまいそうだ。
「あれ、どうしたの黙りこくっちゃって? もしかして見とれてる?」
 悪戯っぽい口調が耳をくすぐる。
 勝利はハッと顔を上げた。
 いつの間にか彼女のことを凝視していたらしい。
 泉が首をかしげて、彼の顔を覗き込んでいた。濡れたような黒い瞳がまっすぐに勝利をとらえる。
 どくん、と心臓の音がはっきり聞こえた。
「もう、真剣な顔しないでよ。図星だったの?」
「そ、そんなわけないだろ! うぬぼれんな!」
 勝利は反射的に荒っぽい答えを返す。
 泉はくすくす、とおかしそうに笑った。
「ほら、ムキになってる。久しぶりに幼なじみに再会して、惚れ直した?」
「な、なに言ってるんだよ、そんなんじゃないっ」
 勝利は上ずった声で返答した。
 動揺しているのは明らかだった。
 こうして──
 再会は唐突に訪れ、嵐となって彼の心に吹き荒れた。
 朝比奈泉──
 勝利は、彼女にふたたび出会った瞬間。
 恋をしていた。




……体験版はここまでです。
続きは製品版にてお楽しみください。





〜体験版〜 「僕は聖奴隷に恋をする(中)」




 その日──三日ぶりに朝比奈泉(あさひな・いずみ)が登校してきた。
 いつも通り、漆黒の髪を赤いリボンでまとめてポニーテールにしている。いかにも気が強そうな容姿をしているが、学年でも一、二を争うほどの美しい少女だった。
 ただし頬の血色がいつもと比べ、随分と悪い。
「どうした、顔色が青いぜ」
 矢神勝利は心配そうに言った。
 今日までの三日間、泉は病休を取っていたのだ。
「風邪なら治ったから」
 泉はそっけなく告げて、前の席に座る。
「ホントに治ったのかよ」
「治ったわよ」
「そうだ、風邪って誰かに移しちまえば治りが早いって言うぜ。たとえば、俺に口移しで──」
「……本気で言ってる?」
 振り返った泉の目線は、絶対零度と言えるほど冷たい。
 いつもの、彼女だった。
「い、いや、なんでもない……」
 思わずたじろぎ、言葉を引っ込める勝利。
(顔色は良くないけど大丈夫みたいだな)
 ホッと安堵感が込み上げる。
 同時に、この間の光景が脳裏に浮かんだ。
 美しい肢体を弄ぶ初老の男。
 快楽に歪む勝気な美貌。
 甘ったるい嬌声。
 乙女の秘園を貫く野太い肉刀。
 梶山に、犯されていた泉──
 いや、あれは同意の上でのことなのだろうか。ならば犯されているとはいえない。
(どうして、朝比奈があんなヤツに……!)
 この間から何百何千と繰り返した自問自答だ。
「朝比奈……」
 険しい顔で虚空を睨みつける。
「なによ」
 気がつくと、泉が振り返って勝利を見つめていた。
「へっ?」
「またあたしの下着が透けてるとか思ってたんじゃないでしょうね。エッチ」
 それはやはり──普段のままの彼女だった。
 何も変わらない。
 何一つ変わらない。
 勝利が憧れて止まない──強くて、美しくて、凛とした朝比奈泉そのものだ。
「透けてるもんはしょーがねーだろ」
 勝利は冗談めかして舌を出す。
 動揺を悟られないように。
 内心を悟られないように。
 勝利もまた、いつも通りの態度を装うのだった。



 ──授業が終わり、勝利は泉と並んで下校していた。家の方向が同じため、彼女とはときどき一緒に帰る。
「俺たち、こうしてると恋人同士に見えるかもな」
 一度、冗談めかしてそう言ったことがあるが、泉から返ってきたのはそっけない一言だけだった。
「見えるわけないでしょ。うぬぼれないで」
「む、ムカー! そんな言い方ねーだろ。せっかく一緒に帰ってやってるのによ」
「『帰ってやってる』ですって? 押し付けがましい言い方しないでよ。誰も頼んでないんだからねっ」
「じ、じゃあ、一人で帰れよ」
 勝利が怒鳴った。
 売り言葉に買い言葉だ。
 泉は澄ました顔で、あっさりと切り返す。
「一人で帰るより、話す相手がいたほうが退屈しないじゃない。たとえ相手があなたでも、ね。あなただって、あたしみたいな美少女と帰れて鼻が高いでしょ?」
「じ、自分で美少女とか言うな」
「だから一緒に帰ってあげてるだけよ」
 どこまでも勝気な少女だった。
 もっとも、彼女のそういう部分に惹かれているのも事実だ。
 凛とした美しさ。
 揺るぎのない心。
 それが泉の魅力だと思う。
「なあ、朝比奈」
 勝利が話しかける。
 決して、彼女には言うまいと決めていたことだった。
 どうしても聞くのが怖かったことだった。
 だが尋ねずにはいられなかった。
 真相を聞き出さなければ、頭がどうにかなってしまいそうだ。
「俺、この間さ……」
「ん?」
 二人の視線がぶつかり合う。
「いや、なんでもねーや」
 屋敷で見かけた泉の痴態──だが、そんなことを当人に話せるはずもない。こうして向き合っていると、先日の出来事が夢だったのではないかと思えてしまう。
 と、小さな鳴き声が耳朶を打った。
「ん?」
 周囲に視線を巡らせる。
 鳴き声の出所は、電柱の側に置かれた段ボール箱だ。
 近づくと、箱の中に小さな犬が座っていた。
「捨て犬か……」
 勝利はかがみこみ、犬の頭を撫でる。
「可愛そうだな」
「もしかして飼うつもり?」
「いや、先に飼い主を探してみる」
 勝利が告げた。
 捨て犬、捨て猫の類は放っておけないタイプだった。飼い主のことを許せないし、捨てられたペットを何とかしたいと思う。
 泉が側にしゃがみこみ、小さく微笑んだ。
「優しいじゃない」
 気が強い彼女にしては珍しいほど、柔らかな笑顔だった。
 勝利の心臓が強い鼓動を刻む。
「ま、まあ、動物は好きだからな」
「あたしも。どっちかっていうと猫のほうが好きだけど」
 泉が目を細めた。
「俺は犬派」
「だと思った」
 泉がにっこりと笑う。
 まぶしいほどに清冽な笑顔。
 その容姿は、男を知っているとはとても信じられないほど清らかで、純潔そのものだった。
(この間見たのは、何かの間違いだったんだろうか)
 先ほどの思考に逆戻りする。
 夢でも見ていたのではないだろうか……そんな風に考える。
「きっとそうだ。白昼夢ってやつか」
「白昼夢?」
「あ、いや、なんでもない」
 怪訝そうな顔をする泉に慌てて手を振る。
 ──結局、聞き出すタイミングを失った勝利は、取り止めもない話をして泉と別れたのだった。




……体験版はここまでです。
続きは製品版にてお楽しみください。





〜体験版〜 「僕は聖奴隷に恋をする(下)」




「あれ? ここは」
 気がつくと泉は、毒々しいライトに照らされた部屋の中にいた。
 白い、大きなベッドに横たえられている。梶山と飲んだ後の記憶があいまいだが……どうやら酔っ払って部屋にかつぎ込まれたようだ。
「目が覚めたか」
 梶山がニヤニヤと泉の顔をのぞき込んだ。
 泉はそこで初めて、自分が全裸であることに気づく。
「あの、あたし……?」
「ぐっすりと眠っていたようね」
 真奈美が背後から歩み寄る。
 屋敷に戻り、彼女とともに紅茶を飲んだところまでは覚えている。
 そして──その後の記憶がなかった。
 真奈美は薄笑いを浮かべたままだ。
 その表情を見て、泉は悟った。
 どうやら、睡眠薬のようなものを飲まされていたらしい。
「今日は四人で楽しもうと思ってな。彼も連れてきたんだ」
 梶山がにやりと笑い、背後を指し示す。
「彼?」
 訝しむ泉の目の前で、扉がゆっくりと開いた。
 現れたのは勝利だ。
「矢神くん、どうして──」
 勝利は両手を後ろ手に縛られている。
 腕の自由を封じられたまま、大きなソファに腰を下ろした。
「想い人も交えての交わりだ」
 梶山の哄笑が部屋中に響き渡った。
「4Pくらい、どうってことはないでしょう。乱交はお手のものでしょうから」
 真奈美が体を寄せてきた。
 背中に、豊かな乳房の感触が当たる。
「そ、そんな、四人でなんて、あたし……」
 あまりの恥ずかしさで、無意識に体をくねらせた。動いた拍子に剥き出しの乳房が小さく揺れる。
「怖がらないで。自分の欲望に素直になればいいのよ」
 真奈美が穏やかな顔で告げる。
「私も昔、同じように調教されたわ」
「真奈美さん……」
 引き締ったヒップに女の手が這ってきた。巧みなソフトタッチに思わず喘いでしまう。
「イイ体になったな、泉は。ワシが一から仕込んでやったんだぞ。ほら、見るがいい、勝利くん」
 梶山が正面に立ち、乳房をぎゅっと乱暴につかんだ。
「前戯がわりだ。彼の前でキスしようか」
 肉厚の唇を突き出す。
 泉は嫌悪感で思わず顔を背けた。
「い、いやです……あたし、もう」
「泉のほうからするんだ。彼の前で、な」
「だから、あたしは嫌だって言ってるでしょう!」
 そこで勝利と目が合った。
 諦念を含んだ、暗い瞳。
「あたしは──」
「ふふ、先に私たちから見せ付けてあげたほうがいいのかしら?」
 真奈美が勝利の頬をたおやかな両手でつかんだ。
 そのまま引き寄せ、唇を重ねる。
「っ!」
 泉は頭をハンマーで殴られたようなショックを受けた。
「真奈美を貫きなさい、勝利くん。避妊は気にしなくていい。ナマで大丈夫だからね」
 泉の肩口にキスをしながら、梶山が言った。
「……でも、俺」
「私が欲しくないの?」
 真奈美は黒いスーツをゆっくりと脱ぎだした。
 煽情的な黒い下着があらわになる。
 同性の泉でさえ、息を飲むようなプロポーション。二十代の、はちきれんばかりの色香がムンムンと漂ってくるようだった。
 勝利が息を飲むのが分かった。
 童貞の少年にとって、それはあまりにも強い誘惑だっただろう。
 全身が小刻みに震えている。
 股間がたくましいテントを張っていた。
「うう……」
「さあ、来て。あなたの太くて固いモノで──私を貫いて」
 真奈美が微笑みながら少年を誘う。
 勝利は唇を半開きにしながら、うめいた。
 年上の美女の裸身が、彼の腰にのしかかる。硬く勃起したものを両手でつかんで固定した。
「元気に満ちているわ。いいわね、若いって」
 熱い切っ先をひくひくと痙攣している秘孔にあてがう。真奈美がほんの少しでも腰を落とせば、そのまま入っていきそうだった。
「俺は……泉を裏切れない」
「裏切りじゃないわよ。彼女だって、何十人もの男と交わってきたのだから。今さら君が他の女とセックスすることを止める権利なんて、彼女にはない」
「でも……」
「私の体──自由にしていいのよ。もちろん、中に出させてあげる。何なら──孕ませてもいいのよ、私のこと」
 妖しい微笑が少年の表情を凍りつかせた。
 まるで清純な天使を堕落させる、魔女のように──
「駄目、勝利くん!」
 泉が悲鳴を上げた。
「おやおや、自分はさんざん色々な男と交わりながら、彼のほうが別の女とセックスするのは拒絶するのか? それは我がままというものだろう」
「違います! だって、あたしは彼のことを……」
「いい加減に諦めなさい、朝比奈さん。あなたはどこにも逃げられない。ご主人様の所有物なんだから」
「そんな……」
「入れるわね」
 真奈美は妖艶に微笑み、腰を落とした。




……体験版はここまでです。
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